大正箱娘

大正箱娘

時は大正。夜明けと黄昏の薄暗闇(トワイライト)。箱には謎と祕密と、それから女が入つてゐる。

書影

大正箱娘 見習い記者と謎解き姫

2016年3月18日頃
講談社タイガより発売予定

新聞記者である英田紺が頼まれたのは、旧家の蔵から見つかった呪いの箱の始末だった。思い悩んだ紺は、上司の勧めるまま、神楽坂にある箱のような屋敷を訪ねる。そこにいたのは、美しくも不思議な娘だった。
「うちはうらら。名前はと問われれば、回向院うらら。それ以外に名乗るものがあるとするなら、箱入り娘ならぬ、『箱娘』と呼ばれるものです」

なんでもその『箱娘』には、開けられない箱もなければ、閉じられない箱もないという──。

ゆめまぼろしが人と共存した最後の時代、紺とうららが出会った時、物語の箱が開かれる。

書影

大正箱娘 怪人カシオペイヤ

2017年3月23日頃
講談社タイガより発売予定

昨今この帝京には、はやりの薬があるという。
その薬には、治せぬ病はないのだという。
出所も素材も確かではないが、通称を曰く──『箱薬』。
あやしい噂もつきまとう新薬の正体を追う紺に、箱娘と呼ばれるうららは囁く。

「万病を治す薬とは、人を殺す毒かもしれない」

箱がいつか開かれるものならば、病とはいつか治るものなのか。
雨はやがて嵐となり、季節は冷たく移り変わる。
そして帝京を騒がす怪人カシオペイヤが姿を現す時、流れる血は誰のものか──。