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この物語を書きながら、人間の価値はどこにあるのだろう、と何度か考えました。
多分、そんなもの、どこでもいいし、なくたっていい、のでしょう。
ただ、ある種の仕事には、「貴方には価値がある」と言われ続けなければならない、
という宿命があります。
「貴方」でなければ、「貴方の書く物」でも、「貴方のつくるもの」でもいい。
そういう、宿命のこと、を考えながら書きました。
舞台は、少女だけのサーカス。
少女達の、宿命と歓喜。絶望と覚悟。恋と冒険。
そして、願いと祈り、のお話です。
願わくば、すべての、芸事に命を賭けた人、
そして、芸事に魅入られた人に。
報いがありますように。
紅玉いづき 2013/02/28
文庫化にあたって
生まれて初めて、ハードカバーにするために、書いた物語でした。
それでも、今回文庫という愛らしい形におさめられることを、嬉しく思います。
特別な加筆もなく、これといったおまけもありません。
でも、文庫版として原稿を読み直した時、素直に面白いな、と思いました。
小箱にこめられたような、少女達の夢。そして一瞬のきらめきです。
そのきらめきを愛する人に、届きますように。
わたしから、メリークリスマス。
紅玉いづき 2015/12/25